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りゅうたま:ベーシック・サプリメント

はじめに

本サプリメントはちょっとしたゲームの拡張を目的にとして追加したルールやデータをまとめたサプリメントです。 主にキャラクターの設定を深めるデータを扱っています。『りゅうたま』に慣れている人と遊ぶときは【六分儀】なしで追加してもいいかもしれませんが、 『りゅうたま』に慣れていないプレイヤーと遊ぶときは【六分儀】の効果で追加することを推奨します。

本サプリメントの構成

故郷に関する設定

あなたの故郷を設定することで、そのキャラクターの特徴をより表現することができます。
ここでは故郷の設定をするにあたって手元に「街づくりシート」を用意しておくことをオススメします。

故郷の規模

まず故郷の規模を選択します。
「村」「街」「都市」「大都市」から選びます。これらの実際の人口規模は街づくりルールに準拠します。

故郷の地形/天候

次に故郷の地形と天候を決定します。ここで選ぶ地形と天候は旅歩きルールに準拠します。
 故郷の地形と天候は複数選択してよいものとします。ただしあまり多すぎてもイメージが定着しないと思いますので、それぞれ2つ程度にとどめておくのがよいでしょう。

故郷の人物

あなたに縁のある人物を設定します。以下の表は必ずしも振る必要はありません。

1d8 設定
1動物
2近所の人
3祖父母(孫)
4友人
5親(子)
6兄弟(姉妹)
7恋人(配偶者)
8長老(市長)

その人物は、あなたの【お気に入りのアイテム】と関係ありますか? あなたの【旅に出た理由】と関係ありますか? あなたの性格に影響を及ぼしていますか? 彼(彼女)はあなたをどのように見送ってくれましたか?

故郷のイメージ

街づくりシートを見てみましょう。その故郷には特徴的な建物はありますか? あなたの農村には50年動いていない風車があって、その風車を復活させる技術を学ぶためにあなたは旅に出たのかも知れません。 あるいはあなたの都市の中央には教会の鐘があって、夜明けになるとゴーンゴーンとその音が鳴り響くので、旅先で同じような鐘の音を聞くとあなたは感傷に浸ってしまうかも知れません。

あなたの故郷の音や匂いは? 森で育ったあなたなら、木のにおい、花の香り、雨が降ったあとの土の匂いに敏感なはずです。故郷とは異なる木のにおいに「ああ、遠くへ来たものだ」と感じるかも知れません。 あるいは海岸を歩けば潮風にあたります。今まで知らなかった空! 風! 太陽! 今まで知らなかった海のにおい! それはきっと最高に胸躍る瞬間でしょう。

慣れた地形/天候

あなたのキャラクターはキャラクター作成(LV1)の時点で【慣れた地形/天候】を獲得します。故郷の地形/天候として選択した地形もしくは天候のうち1つを選択し、その地形/天候を目標としたチェックに+1のボーナスを得ます。 ここで選択した地形/天候はレベルが上昇した際に【得意な地形/天候】として選択することができます。ただし、そうした場合でもボーナスの上限は+2までになります。そこで【慣れた地形/天候】を故郷の地形/天候から新たに選び直すことができます。

故郷と同じ街の規模

あなたの故郷と同じ街の規模をもつ街では、勝手がつかみやすく、街に馴染みやすくなります。逆にあなたの故郷とかけ離れた規模をもつ街では勝手がつかみにくく、困惑する場面も多いでしょう。

§馴染む街の処理の例

  • 有利な状況によるボーナスを与える(P.73)
  • 「サーチ」を行う際に行動を消費しない(P.91)
  • 状態異常が回復しやすい
  • よりたくさんの人物とうち解けあえる
  • 秘密の抜け道を見つけやすい

§馴染まない街の処理の例

  • 不利な状況によるペナルティを与える(P.73)
  • ハプニングが起きやすい(P.78)
  • 街の人たちにからかわれる
  • 心優しい人からちょっとしたお土産をもらう
  • 街の人たちが思いもよらなかったアイディアを思いつく

GMは街と旅人との関わりを演出するために、故郷の街の規模によるボーナスやペナルティを与えることができます。

クラスごとの特典

§ミンストレル

故郷の地形/天候から1つ選択し、「その地形または天候の音楽」を1つ憶えます。つまりキャラクター作成時点で「音楽」を1つ憶えている状態からスタートします。

§マーチャント/ノーブル

故郷の特産品を1つ設定します。〔特産品(小)〕として扱われ、キャラクター作成時点でそれを2つ所持した状態からスタートします。「買い物でアイテムを揃える(P.24)」際に初期所持金を使えば、追加で特産品を購入できるものとします。

§ヒーラー

故郷の地形から1つ選択し、キャラクター作成時点でその地形で取得できる〔ヒーリングハーブ〕を予め所持した状態からスタートします。所持数はLV1の地形なら4つ、LV2の地形なら3つ、LV3の地形なら2つ、LV4,5の地形なら1つだけとなります。

§ハンター/クラフト

故郷付近に生息する「動物/幻獣/幻樹/魔石」のモンスターを設定します。キャラクター作成時点でそのモンスターの材料加工品を1つ所持した状態からスタートします。サイズ3、売却価格は売却時に決まり、(現在LV×100)Gとなります。

§ファーマー

上記特典のうち1つを選び、特典の恩恵を受けることができます。念のために書いておくと〈音楽〉を使うには〈内職〉で〈音楽〉を選択する必要があります。


旅に出た理由に関する設定

あなたの旅に出た理由を設定することで、そのキャラクターの行動指針が決まり、生き生きとロールプレイができます。

旅に出た理由の意義

§プレイヤーとして

「旅に出た理由」はキャラクターの行動指針を決める上で役に立ちます。自分のキャラクターを他の参加者に印象づけるとともに、自身もプレイして楽しいキャラクターになります。

§ゲームマスターとして

PCの「旅に出た理由」はそのままシナリオフックになります。どのようなシナリオ展開にするか考える際に「旅に出た理由」はPCがやりたいと思っている事なので、「旅に出た理由」を使えばPCをシナリオに巻き込むことができます。

旅に出た理由の分類

「旅に出た理由」はその方向性から3つに分類できるでしょう。

   設定
旅情型出会いや思いがけない感動を求めている。
修行型特定方向に興味が向いている。
探究型キャンペーンを通じて達成したい事がある。

上表において上にある方が無目的に近く、下にある方が具体的な目的を掲げていると言えます。上の方が目的が曖昧なため、GMとしては設定に縛られずに自由にシナリオが作れる反面、シナリオにどうやって関わらせるか悩むことになります。また旅に出た理由が1つではない「複合型」もあります。

  旅情型

旅に出た理由はきっかけに過ぎず、特に目的がないようなものを旅情型と呼びます。「風が呼んだから」「隣に座っているPLのキャラクターの付き添いで」「うちの村では16歳になると旅に出るしきたりになっているから」「夢の中で竜地蔵が現れて旅に出なさいとお告げをしたから」といった理由が旅情型の典型でしょう。 旅情型PCのプレイングの注意点をまとめます。

§こんなあなたにおすすめ

  • 行く場所での人々との出会いや思いがけない感動に巡り会いたいと思っている。
  • 難しい設定を考えるのは得意ではないが、その場その場で対応したプレイをしたい。
  • 他のPCに合わせながら仲間との絆によってキャラクターを動かしたい。
  • 強い目的意識よりも性格や趣味嗜好でキャラクターを動かしたい。

§旅情型の注意点

  • 好奇心や仲間との絆などシナリオに参加する他の理由を見つけないといけない。
  • うまくキャラクターを説明・表現しないとGMが誤解するかも知れない。
  • たまに変な設定が勝手につけられることがあるので覚悟しないといけない。

  修行型

旅に出た理由が、具体的な達成目標はないけれど、旅先でどういう事がしたいのかが分かるようなものを修行型と呼びます。「世界中を旅して自分だけの音楽づくりの参考にしたい」「強い奴と戦って槍の技を磨きたい」「色々な街のファッションを見て回りたい」「世界中のおいしいものを食べたい」といった理由が修行型の典型でしょう。 修行型PCのプレイングの注意点をまとめます。

§こんなあなたにおすすめ

  • 初心者である。
  • クラスの職業などと関連させたロールプレイがしたい。
  • 旅先での「お決まりの行動」を決めてキャラを印象づけたい。
  • 具体的な目標を掲げるのは大変だけど、何かしら目的が欲しい。
  • キャンペーンの中で旅の思い出やPCの成長を強調したい。

§修行型の注意点

  • キャラクターの「ブレ」と「成長」の違いを意識することが重要。
  • 自分のキャラクターの修行のみに専念するとスタンドプレーになりがち。
  • マンネリに飽きないように過去の場面との違いを意識する(成長や思い出の演出に繋がる)

  探究型

旅に出た理由が、具体的な達成目標があるようなものを探究型と呼びます。 「行方知れずの母を捜している」「賢者の秘宝"黄金の掃除機"を探し求めている」「使ってもなくならないオリハルコンの消しゴムを甥の入学祝いにあげたい」「天上の理想郷に辿り着きたい」「弟を殺した妖魔に復讐する」といった理由が探究型の典型でしょう。 修行型PCのプレイングの注意点をまとめます。

§こんなあなたにおすすめ

  • キャンペーンを通して物語の主人公のような感覚を味わいたい。
  • 背景ストーリーを考えるのが好きである。
  • 強い目的意識を持つ旅人をプレイしたい。
  • 無目的なキャラクターをプレイするのは苦手である。

§探究型の注意点

  • キャンペーンの途中で目的が達成しちゃった時に旅を続ける理由を考えないといけない。
  • 自分のキャラクターの探究のみに専念するとスタンドプレーになりがち。
  • 各シナリオのミッションが自分の目的とあまり関係がない時の関わり方を考えないといけない。

複合型

旅に出た理由を1つだけに絞らなければならないルールはありません。複数の型を組み合わせたタイプの旅に出た理由を複合型と呼びます。 [旅+探]のパターンとしては「隣のPCのお供でついてきただけだけど、伝説の秘宝とやらも何やら面白そうだ」といったものが想定できるでしょう。 [修+探]のパターンとしては「災厄のノラ竜を退治するために腕を磨かなければならない」といったものが想定できるでしょう。

複合型は旅に出た理由について、より詳細なスタンスを与え、旅の目的や旅を続ける理由をより味わい深いものにします。 旅に出た理由を詳細に決めているような人は無意識的に複合型で旅に出た理由を設定しているはずです。

秘密型

秘密型はPLが仕掛ける特別なギミック(仕掛け)で、「表向きは〜〜という目的に従って行動しているが、実は〜〜が本当の目的である」という 多重構造を持つ【旅に出た理由】のことです。秘密型の【旅に出た理由】を設定する場合はGMの協力とある程度の技量が必要です。 PLであるあなたと、あなたのGM双方の技量を推し量りながら、設定する場合は慎重に設定するのが良いでしょう。一部もしくは全部のPLに打ち明けてプレイする場合も同様です。

旅を続ける理由

【旅に出た理由】で設定したからといって、それは切っ掛けに過ぎず、必ずしも旅の目的ではありません。旅人は途中で旅の目的が変化する場合もあるでしょう。 必ずしも初志貫徹して【旅に出た理由】に基づいたロールプレイを全うしなくてもよいのです。それがたとえ探究型であっても。 本来の目的を忘れ、仲間との時間を大事にするのも悪いことではないでしょう。旅に出た理由と旅を続ける理由は同じでも違っていても良いのです。それを含めてあなたのキャラクターです。

旅に出た理由の含意(GM向け)

「喧嘩して家出をした」「故郷をノラ竜に滅ぼされて行くあてをなくした」といった理由はひとまず旅情型に含まれるでしょう。目的を含んでいないからです。 しかしこれは「本当は仲直りしたい」だとか「安住の地を求めている」だとか「ノラ竜に復讐したい」といった探究型の【旅に出た理由】をにおわせています。

あるいは「行方知れずの母を捜している」という探究型の【旅に出た理由】を設定した一方で「実はその母は3年前に亡くなっている」という"PCは知らない設定"を作ることもできます。 その場合、事実を知るまでは探究型だが、事実を知った時は旅情型に転換します。さらに「母の辿った場所を巡る」だとか「母を殺した奴を見つけ出す」、「故郷に帰って母の死を知らせる」 といった新たな目的を獲得する可能性を示唆しています。母の死にまつわる設定はGMに投げた上で、PCの目的が変化することだけを決めてしまう設定の作り方です。

こうした理由から【旅に出た理由】を単純に3つの分類に当てはめ、それぞれに応じた対処をすればよいというものでもありません。その内容を吟味する必要があります。

バージョン情報

  • ver.1.0.0(2014/01/02)
  • ver.1.0.1(2014/10/20)
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