りゅうたま ポータル

迷いやすいルールの裁定集

文責:lib14

『りゅうたま』には判断に迷うようなルールや曖昧なルールが(敢えて曖昧にしていると思われるようなものも)あります。 ここではスムーズなセッション運営を目指してそれらのルールに一定の基準を設けます。

裁定集には〈伝承知識〉の使い道など、それぞれの卓における裁量に委ねられている部分にも触れています。 具体的にどんな効果が発動するのか定義されていない能力に関しては裁定に迷う場面もあると思いますので、指針を示すことにしました。 ここでいう指針とは、基本方針のように強制力のあるものではなく、迷った時の提案に近いものだと思ってください。

ここに示す裁定集はルールのように尊重度の高い基準ではありません。筆者自身の経験や他のGMとの議論に基づくGM裁定の汎化です。

●各クラス

◆ミンストレル

Q:〈伝承知識〉は何に使うんですか?

A:ただの[知力+知力]チェックとしたのでは、他のクラスとの差別化が図れません。旅人は何か「伝承っぽい感じのする」情報を得たとき、竜人に〈伝承知識〉が使えないか尋ねてみてください。竜人はこのシナリオか、キャンペーンのヒントになりそうな情報が判明するかも知れないと思ったら適切な目標値を設定して許可を出します。この時、データ的に明確な言い方で説明してもいいですし、さりげなく雰囲気を伝えてもいいと思います。また〈伝承知識〉専用の情報を用意したり、〈伝承知識〉で判定する場合、少しだけ目標値を下げるなどしてもいいでしょう。「伝承っぽい感じのする」情報とは、例えば歴史、魔法、竜に関する事柄などです。

シナリオの中で〈伝承知識〉を前提とした情報を用意しておくという手もあります。街や地形の背景ストーリーというわけです。もしミンストレルのPCがいなかったり、チェックに失敗した場合、〔図書館〕や〔情報屋〕から情報が得られるということにするといいでしょう。


Q:〈音楽〉の効果はいつまで続きますか?

A:これは「直後の[チェック]に」の「直後」をどのように解釈するかという問題です。「朝に演奏してもらった事を承けて、夕方のチェックにボーナスが乗るか?」という問題でもあります。基本的に以下の優先順位で「直後」でなくなると考えます。

  • GMが指定したタイミング
  • イベントシートでシナリオを管理している場合、そのイベント終了まで
  • シナリオ構成シートでシナリオを管理している場合、そのフェイズ(アクト2など)終了まで
  • ゲーム内時間で2時間まで
  • 時間が不明確な場合はその日が終了するまで

◆マーチャント

Q:〔ヒーリングハーブ〕は〈春夏冬〉できますか?

A:できるものとします。

Q:特産品に〔かわいい〕などの追加特徴をつけられますか?

A:GMが「ありそうだ」と判断したらつけられるものとします。逆に追加特徴がデフォルトでついている特産品があってもいいでしょう。

◆ハンター

Q:〈動物探し〉に書かれている「居場所」って何ですか?

A:例えば旅人が「居場所」を得たことによってGMは以下の特典のうち、1つまたは複数を旅人に与えることができます。

  • そのモンスターと即座に戦闘する権利を得る
  • 儀式魔法など十分な準備時間を得た上でそのモンスターと戦闘できる
  • 旅歩きの行程の、どのタイミングで(3日目の方向チェックの直後など)そのモンスターと遭遇するかが分かる
  • そのモンスターのデータの一部または全部が分かる
  • そのモンスターに関連した物語上の情報を得る
  • そのモンスターとの戦闘を避けることができる
  • そのモンスターと戦う上で何かしら有利になる(ふいうちなど)
  • そのモンスターとの戦闘を避けるうえで何かしら有利になる
  • そのモンスターの住処や縄張りに関連したアイテムを手に入れる上で有利になる
  • その他、旅人にとって有利となり得る状況や情報

◆ヒーラー

Q:〈応急処置〉は戦闘中にも使えますか?

A:使えるものとします。

◆ファーマー

Q:ファーマーがLV5になって、追加クラスを取得したとき、〈内職〉で取得したスキルはどうなりますか?

A:まず「ファーマー/ファーマー」となって〈薬草採り〉を2回選択した場合(選択できるものとします)、 〈薬草採り〉のスキル能力が強化されることにより「+1」のボーナスを得ますが、〈内職〉の効果で「−1」のペナルティを受け、結果として「±0」です。 また〈内職〉で〈薬草採り〉を選択しているファーマーが、「ファーマー/ヒーラー」となった場合、 〈薬草採り〉のスキル能力が強化され、チェックに+1されるものとします(少し変ですがプレイヤー有利ということでこのように裁定します)。 〈治療〉や〈応急処置〉はそのままです。まとめると次のようになります。

  • 「ヒーラー」 → 〈薬草採り〉±0
  • 「ファーマー」 → 〈薬草採り〉−1
  • 「ヒーラー/ヒーラー」 → 〈薬草採り〉+1
  • 「ファーマー/ヒーラー」 → 〈薬草採り〉+1
  • 「ファーマー/ファーマー」 → 〈薬草採り〉±0

◆クラフト

Q:〈物作り〉における「職人道具を広げる場所と時間」とはどの程度のものを指しますか?

A:〈物作り〉は作成できる個数に制限がある点、作成できるアイテムのカテゴリが絞られる点、作成に時間がかかる点などを鑑みて、プレイヤーにやさしい裁定をします。 「旅の途中でも」という記述を「旅歩きの最中でも」という意味で解釈します。旅歩きをしている間の休憩時間などを利用してコツコツと作成しているものと考えます。 途中のイベントの都合で「そのような余裕がどうしてもない」と特別にGMが判断した場合を除いて、作成できるものとします。修理も同様です。


Q:〈物作り〉や〈修理〉に「材料費」とありますが、別途購入する必要があるのでしょうか?

A:基本的には材料の事前購入は不要であると裁定します。確かに「お金」をそのまま「材料」に変換するのは不自然です。 街を出発する段階で余分なお金を持って出発したのなら「実は街で材料を購入していた」と言い訳できるかもしれません。 もちろん旅の途中で資金を得た場合(山賊の宝を手に入れたなど)、説明が難しくなります。しかし「旅の途中ですれ違った旅人に材料を分けて貰った」 「山賊の宝の中に材料が含まれていた」などと説明すればいいでしょう。ただし明らかに調達不可能であるような場合は、不可と裁定することもあるかも知れません。 その場合はGMが事前にその旨を告げるべきでしょう。わざわざ「材料を買います」と宣言するのではなく、当然、調達しているものとして処理する方がスムーズです。 もちろん、そういうロールプレイでキャラクターを引き立てるのはプレイヤーの自由です。


Q:〈物作り〉では〔船旅用アイテム〕は作れないんですか?

A:作れないものとします。ただし〔ハイ・ハーブボトル〕は〔大型容器〕でもあるとみなし、作成可能とします。

◆ノーブル

Q:〈礼儀作法〉における「好印象」ってどういう事?

A:基本的に旅人は一般人なので、身分は低いです。また出自の身分は高くても、その地域で尊重されるとは限りません。王侯貴族、大商人、裏社会の権力者などとコネをつくることで有力な情報が得られたり、旅をする上で便宜を図ってもらえたりするかも知れません。例えば〈礼儀作法〉に成功することによって旅人は以下のような特典が得られる場合があります。

  • [交渉チェック(知力+精神)]の代用
  • 身分や地位の高い人しか知らない情報が得られる
  • 身分や地位の高い人から貴重なお宝がもらえる
  • 身分や地位の高い人が依頼人のとき報酬が増える
  • 身分や地位の高い人がいる場所での仲間のチェックにボーナスを与える(サポート相当)
  • 身分や地位の高い人によってヒドイ目に遭わされるイベントを回避できる
  • 身分や地位の高い人と交流するイベントに参加できる
  • 社交ダンス対決などにおいて優秀な成績を収める

Q:〈教養知識〉って役に立つんですか?

A:基本的には〈伝承知識〉よりも役に立つ場面は少ないでしょう。ただし「どうでもいい情報」と思っていたものが案外、役に立つ場面もあるかも知れません。また、この世界の有名人、有力者に関する情報を得たい場合、ふつうに調べるよりも、より詳細な情報を得ることができるでしょう。 例えば通常の情報収集ならば「王は威厳があり、民から慕われている」という情報が得られますが、〈教養知識〉では「王は苺のショートケーキが大好物だ」といった情報が得られます。お土産に苺のショートケーキを持っていけば、王の印象もよくなるでしょう。

◆スキル全般

Q:結局、知識系のスキルはどのように扱うの?

A:伝承と教養を特に区別することなく、他のTRPGでいう「情報収集」という扱いでも構いません。 この際、他のクラスの人が職業知識(P.72)などでチェックするよりも目標値を1〜2低めに設定したり、地形を目標にしたりして、有利になるようにするといいでしょう。 ただ、「伝承っぽさ」や「トリビアっぽさ」が演出できるとクラスの特徴が出て、プレイヤーはより特別な気分が味わえるでしょう。

●旅人のレベルアップ

Q:「季節の竜の加護」と「季節の竜の守護」がありますが、どちらが正しいのでしょうか?

A:「季節の竜の守護」です。PDF第2回配布版で修正されました。

●一般アイテム

Q:『1st passport』の〔ハイ・ハーブボトル〕は〔大型容器〕として扱うということは、〔背負い袋〕と同時に持てない?

A:はい。旅人は〔大型容器〕は1つしか持てません。


Q:〔パーティ便利セット〕の中身が、どう計算しても795Gです。

A:〔たいまつ〕1本追加しておいてください。もしくは〔動物のエサ〕でも構いません。PDF第2回配布版で修正されました。


Q:地形の目標値への修正値「+1」の【雨】が降っているとき、〔雨よけ靴〕と〔雨よけマント〕の効果で「+2」のボーナスを受けることができますか?

A:できるものとします。この裁定を認めないと「旅装を買いそろえる」というPLのゲーム的な努力の意味が薄れます。確かに【晴れ】の時よりも成功しやすいのはおかしい気もしますが、「雨が降っていた方がテンションが上がって旅歩きが成功しやすくなる」というフレーバーを付ければ「+2」の解釈ができるものと考えます。 できます。PDF第2回配布版で修正されました。

●ヒーリングハーブ

Q:〔夕陽のヒメリンゴ〕は食料代わりになりませんか?

A:なりません。


Q:〔大鬼漆〕を複数使用し、複数本の矢に毒を塗ることは可能ですか?

A:可能です。このとき、矢に毒を塗るのに1ラウンドかかるものとします。毒矢トークンなどを用意しておくとよいでしょう。ヒーリングハーブが24時間で腐ってしまうことを鑑み、矢に塗った毒の効き目も、塗布してから24時間以内とします(ハーブボトルに入れていなければ、採取してから24時間)。


Q:〔釣鐘ツユクサ〕は[コンディション・チェック]や魔法の効果を求めるチェックに使用できますか?

A:できるものとします。ただし「直後の」と書いてあるので、魔法の効果を求めるチェックには事実上適用できません(魔法チェックは精神を使うから)。


Q:〔月下ノ雪割草〕は「集中」のためのMP消費も減少させられますか?

A:はい。例えばMPが現在12あるキャラクターが〔月下ノ雪割草〕を使用した状態で「集中」した場合、MP消費は「6−1」となり、残MPは7になります。 できないものとさせてください。「集中」で消費するのは「代償」であって【MP】ではないからです。代償の内容のひとつが「MPを減少すること」なのです。


Q:「状態異常を回復させるための[コンディション・チェック]」って何ですか?

A:そのチェック結果によって現在の【コンディション】の値は変化しません。「状態異常強度」を目標値とした特例的なチェックで、成功すると状態異常が回復します。

●魔法

Q:明らかに役に立ちそうもない魔法があるんですけど。

A:発想力が試されているのだと解釈します。

●時間の管理

Q:時間の管理について指針はありますか?

魔法の効果時間などで「●時間」という記述がありますが、原則として時間についてはあまり深く考えない方がよいと考えます。魔法の効果時間についても「1時間」と書かれていれば「1イベント中」と解釈します(連続したイベントなら次のイベントでも有効とか、臨機応変に)。 「12時間」と書かれていれば「移動中」または「野営中」と解釈します。 儀式魔法については、朝晩合わせて1日に4回程度まで使用可能であると考えます(ただし別キャラが同じ時間中に儀式できる場合は合わせて1回とカウントする)。余分に儀式魔法を使用する場合は移動距離を減らすか、徹夜のペナルティを受けるか、食事の準備や風呂や洗濯の時間を短縮するアイディアを思いつかなければならないとします。

街で過ごす場合、情報収集や〈春夏冬〉に1時間かかるものとします。つまり儀式魔法と同じ扱いになります。

A:時間は魔法の効果時間、および移動距離の目安のところに書かれている「1日の移動距離(8時間歩行)」という記述があります。 まず常識的に考えて8時間歩き続けることは不可能で、どこかで休憩をとりながら移動しなければなりませんし、1日に8時間歩くだけでも相当に大変なことです(最も体力がない人に合わせないといけない点に注意)。 休憩を入れながらフルで歩いたとして10時間ちょっとはかかるんじゃないかと思います。 そこで魔法の効果時間「12時間」の意味について考えますが、基本的には休憩を含めて「移動をしている間」と捉えることとします。せいぜい野営地を探してテントを立て終わるまでとしておくのが妥当でしょう。昼に出発すれば夜が更けるまで有効です。 で、1日のうち残りの「12時間」が生活パートということになります。朝食と夕食、食事の準備、風呂、団らん、そして就寝です。準備も含めると食事や風呂に2時間は割かないとやっていけないはずです。 移動8時間、睡眠8時間、朝食1時間、昼食1時間、夕食1時間、休憩1時間、戦闘/野営地設営/風呂/洗濯などその他の活動2時間。

●徹夜のペナルティの条件

Q:どのくらい寝ないと徹夜のペナルティが発生しますか?

A:必要そうになったときGMが判断し、プレイヤーに基準を伝えます。現実の世界でも睡眠に必要な時間は個人差があります。本指針では「睡眠8時間」としているので、風呂の時間や儀式魔法の時間などを犠牲にしても8時間が捻出できなかった場合、徹夜のペナルティが発生するものとします。 ただし、睡眠時間が短かったときの徹夜のペナルティのルールは面倒なので、無理に適用しないというのも手です。

●状態異常

Q:「状態異常の数値」「状態異常の目標値」など、表記揺れがあります。

A:「状態異常の数値」です。PDF第2回配布版で修正されました。

●天候の竜

Q:天候に「雷」がないんですけど、何故「雷の竜」がいるのでしょう?

A:天候の「大嵐」は「雨の竜」と「風の竜」と「雷の竜」の仕業です。「雷の竜」は単独では出てきません。きっと皆で一緒に盛り上がるのが好きなのでしょう。

●戦闘

Q:HPが0になると「気絶」するそうですが、「気絶」するとどうなりますか?

A:戦闘中に「行動」ができなくなります。また旅歩き中もスキルや魔法が使用できなくなり、旅歩きのチェックに参加できなくなります。「気絶」したキャラクターのその後の扱いについては公式Q&A参照です。

●ブレス

Q:《旅の物語》や《優しさの物語》のブレスの効果時間はどの程度でしょうか?

A:そのセッションが終了するまでとします。
英語版クラウドファンディングのブログにて回答が示されていました。
また英語版のTHE TALE OF THE JOURNEY(旅の物語)の箇所では
Up to two PCs who roleplay ardently pursuing the goal of the journey can ignore all weather modifiers for the rest of the session.
と書かれています。


Q:《旅の物語》における「旅の目的」とは何ですか?

A:第一に、そのシナリオの「依頼」にあたるミッション、第二に、その旅人の「旅に出た理由」に関する個人的なミッションが該当します。どちらでも構いません。


Q:《心震える物語》で貰ったチップを消費せず、さらに他の人に渡すことはできますか?

A:できるものとします。


Q:《復活の物語》の「能力値」はどの段階で選択しますか、また「1回だけ」とはどういうことですか?

A:《復活の物語》を受けた段階で選択します。「シナリオ1回だけ」とは、《復活の物語》を受けた状態でプレイヤーが好きなタイミングで1度だけ、1回のチェックを行う際に、その効果を適用できるという意味です。「2回チェックを行い、良い方の(悪い方の)出目を採用する」タイプのチェックに関しては両方のチェックに対して適用することができるものとします。

●モンスター

Q:ネコゴブリンの材料加工で手に入る「ツボ」って値段がないですが何に使うんですか?

A:サイズ3のアイテムですが、何に使うのかは不明です。発想力が試されている場面だと解釈します。

バージョン情報

  • ver.1.11(2016/04/22)
  • ver.2.00(2017/01/11)
  • ver.2.01(2017/01/15)
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